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台風・集中豪雨による災害後の水害カビ対策

近年世界中の様々な国と地域にて異常気象が確認されております。
特に記録的な豪雨、強い勢力の台風の上陸など人々の生活に支障が出るレベルの水害が数多く確認されています。

日本でも毎年のように

・台風
・大雨
・集中豪雨

による被害が発生しています。しかし、水害はその後の住環境にも大きな影響を与えるのです。

東大気候システム研究センターを中心に行われた気候変動予測によると、
地球温暖化に伴う大気中の水蒸気量の上昇は、大雨の増加を促進するとしております。

水害が起きた際にどの様な対処をすべきかを知っておく必要があります。

・水害による被害とそれに伴うカビ被害
・被害後の対処方法
・今できる水害対策

についてお伝えしていきます。

1.水害による被害とそれに伴うカビ被害

水害は大雨に伴い一時的に大量に発生した

・雨水がダムの決壊
・河川の氾濫

などを促し、それらの汚水が排水溝や側溝では対処しきれず、家屋に侵入する事で発生します。

そして侵入した汚水は家屋を押し流し、被害を拡大させます。
仮に押し流されなかったとしても、汚水が床下や家具を湿らすことで、水害発生もカビなどの発生源となり二次被害を与えるケースがあります。

🔷東海豪雨のケース

実際に東海豪雨による水害被害を受けた名糖産業株式会社 名古屋研究所の報告によると、流されなかった書類や書籍にはカビが生え、
写真は剥離し、電子機器類は修復不能になるなど生産たる現状が報告されています。

これは海外においても同様であり、アメリカ ニューオリンズが大規模なハリケーンにより水害を受けた際には、
高湿度を好むスタキボトリス族の一種が住宅に繁茂し、高濃度の胞子が居住空間内から検出されたとの報告があります。

また秋田県立大学内で行われた人為的な床下浸水シミュレーションによる実験では、水害による相対湿度の上昇はカビの増殖を促進し、
結果では一般の居住環境でも確認され、カビによる健康被害の原因種ともされているアスペルギウス属の一種が排水約2ヶ月後には約4倍にまで増殖する事が分かっております。

汚水によって外部からカビの胞子を入れてしまう事を考慮に加えると、実際にはこの実験以上に水害後のカビ発生速度は速いと考えられます。

カビの発生は放置すると、躯体を痛めるだけでは留まらず、種をより広範囲に広げるために胞子を作成しそれらを空中に拡散させます。
そして、終了は被害のなかった家具類にも付着し、新たなカビの温床となります。

よって水害による被害は一時的なものではなく、慢性的に長期化する可能性が高く、いち早くその要因を解消し、改善する必要があると言えます。
それでは今後水害被害に見舞われた際には、どのような行動をすべきなのか、カビの専門業者としての目線で今回はお話させて頂きます。

2.被害後の対処方法

それではまず水害に見舞われた際にどの様な道具が必要なのでしょうか。
災害時に全てを揃えるのは非常に難しいかと思われますが、参考にしてみて下さい。

2-1.作業するのに必要な道具・格好の調達

 

1.汚れても良い・捨てても良い服(出来れば長袖・長ズボン)

※水害時には汚水による汚れが酷く、また何が散乱しているか不明瞭な状態です。よって汚れても長袖・長ズボンがおススメです。
この格好はカビ除去時に使用する薬品から体を守るうえでも重要なのでおススメします。割烹着や実験などで使用する白衣などもその代用品として使えます。

2.マスク

※不用意に粉塵や、カビの胞子を吸い込まないようにするのに使用します。

3.軍手・ゴム手袋

※水害後の清掃や薬剤を塗布する際に直接触れなくて良くなりますのでおススメです。
特に水害時の清掃の際にはゴム手袋の上から軍手をしますと滑りにくく、また手が濡れることもないのでお勧めです。

4.ゴーグル

※掃除の際には粉塵などが舞います。また汚水などが跳ね、目に入る可能性があります。
さらにカビの除去を行う際には目に薬剤が跳ねた際に、目に入ることがありませんので、おススメの道具です。

5.薬剤

 

2-2.カビの発生源の除去

水害の被害が家屋・家財をお揃いますと、ありとあらゆるところが水分を含む形となります。
水分はカビにとって非常に都合の良い環境を作ってしまいます。

よって最初に行わなければならない作業は「汚れを落とし家屋・家財を乾燥させる」という工程です。

水害後の環境においてこの作業が一番大変な作業になります。

しかし乾燥を怠りますと材質に含まれた水分を媒介にカビが発生し、家屋・家財全体にカビが広がる可能性があります。
せっかく生きていた家具もダメにしてしまう可能性があります。十分な乾燥作業がのちの被害を食い止めます。
よって天井部屋から、床下までしっかりと乾燥作業を行ないましょう。

乾燥は、以下の2パターンが適当かと思われます。

2-2-1.扇風機(送風機)を用いた乾燥法

こちらは一般的に乾燥させる際に行う手法になります。
しかしこの手法は乾燥後に水害時の泥などの汚れを周りに飛ばしてしまう可能性があります。
よって周りに十分に配慮し、また自分自身も吸い込まないようにマスクなどをして行いましょう。

また乾燥後には乾燥した残りの泥などを拭き取り、カビの胞子の温床となるものは残さないようにしましょう。

2-2-2.太陽光による乾燥法

こちらは太陽の光を用いて乾燥させる手法です。

太陽の光には紫外線が含まれております。紫外線はカビの除去に大変有効的であり、この手法は乾燥を行いながらカビ発生の予防にも繋がります。
しかし天候に大きく左右されるという欠点がありますので、天候の変化には十分に注意しながら行うようにしましょう。

カビにとって最も都合の悪い状態が、水分を補給できない状態です。

十分な乾燥がその後の家屋・家財の寿命を大きく変化させます。
床下や屋根裏、家財の裏といった人の目の届かない箇所は自身が必要と思う以上、しっかりと乾燥してください。

特に床下に関しては非常に長い期間の乾燥作業が必要とされており、
秋田県立大学で行われた床下コンクリートに対する浸水シミュレーションでは、床下コンクリート面が元の含水量に戻るのに約半年もかかっており、
床下の温度を上昇させ乾燥させても約2ヶ月はかかる可能性が指摘されており、たとえ見た目上元に戻ったとしても、床下の乾燥は長期的に行うようにしましょう。

それでは次にそれでもカビが生えてしまった場合、どうすべきなのか?これについて解説していきます。

3.水害によるカビ除去方法

まず水害による被害を受けたものが、カビ除去後使用できるものか確認しましょう。

🔶壁のヒビに注意

例えば家屋であれば、家壁にヒビが入っていないかなどの確認が必要です。ヒビが入っているとその後漏水などの危険性があります。

漏水は漏水箇所の湿度、漏水周辺の湿度を大きく上昇させるため、カビの生えるリスクが大きく上昇します。特に漏水の危険性のある家壁などの上から壁紙などを張りますと

1.壁と壁紙の間の湿度が上昇する
2.カビの発生と共に壁紙が剥がれる
3.壁紙が剥がれ始める

など大きな被害になってしまう可能性があります。

壁などに”ヒビ”などがある場合はまずはその修繕をした後に、壁紙を貼るようにしましょう。

せっかく元の生活に戻ることが出来たとしても、下地の処理が不十分なせいでまた工事になってしまうと気が滅入りますよね。
そんな気持ちにならない為にも、原状復帰時には十分に気を配りましょう。

◇家具の使用が今後も可能か

また家具であれば過度に水分を含んでしまう事によって湾曲してしまいますと、その湾曲は乾燥しても元の状態に戻ることは難しいです。
また水分を吸っているためカビも生えやすい状況です。

よって状況に応じて廃棄も考えましょう。お気に入りの家具などで捨てたくないから乾燥させたらカビが発生した、
大丈夫だと思って使用していたらカビが生えてきた。こんなことがあるかと思います。

それでは生えてしまったカビはどの様に処理すれば良いのか、それについてご説明してゆきます。

3-1.エタノールを用いたカビ類の除去

こちらは消毒などに用いられるエタノールを用いたカビの除去方法になります。
使用する際には70%を超えたものを使用して下さい(薬局などで販売しております)。
使用するときはしっかりと作業できる格好になった上で、カビの生えた箇所に散布しましょう。

※注意点※

エタノールは引火性がありますので、火元の近くで利用する事は控えましょう。

また火元の近くで利用する際には、元栓をしっかりと締めた上で散布し、その後しっかりと拭き取りましょう。
またニスやワックスなどで表面加工されている家具、アクリルやポリスチレン、革製品に使用すると表面の加工が取れてしまう可能性があります。

使用する際にはその製品がエタノールに対応できるものか確認してから使用しましょう。

3-2.塩素系薬剤を用いたカビ類の除去

こちらは塩素系薬剤を用いてカビを除去する方法です。

最大の特徴はエタノールとは異なり、カビによって残った色素の漂白も行う事が出来ます。
なお使用する際には界面活性剤含まれた塩素系薬剤(カビ取り剤・キッチン用漂白剤には多く含まれています。)を使用しましょう。

使用する際には作業の出来る形で、カビの生えた箇所に散布しましょう。
散布後は薬剤を拭き取り、他の箇所に付かないようにしましょう。

※注意点※

①漂白剤が付着しても良い服装

塩素系薬剤はエタノールとは異なり漂白効果があります。よって使用する際に漂白しても困らない格好で作業を行ないましょう
。また布製品などに使用すると穴が開いてしまう可能性があります。使用する際には十分に注意しましょう。

②木材が脱色する可能性

さらに木材などに使用する際にも元の色以上に抜けてしまう可能性があります。
なるべく漂白しないように、カビ除去後はしっかりと拭き取るようにしましょう。

③手袋などで皮膚を保護

また薬剤は直接触れると皮膚などが溶けてしまう可能性があるんで、直接触れないようにしましょう。
そして薬剤は塗布後しても薬剤としての性質は消えません。よってカビを除去した後にはしっかりと拭き取り、子供やペットが触れないようにしましょう。

子供がいる家で使用する際には、くれぐれも子供の遊ぶ箇所と薬剤散布箇所がバッティングしないように注意しましょう。

また、換気もしっかりと行い、薬剤を吸い込まないように注意して下さい。

4.水害被害に見舞われる前に出来る水害対策

4-1.漏電に注意

まずできる事として挙げられるのが時の漏電の防止です。備え付けのコンセント部の漏電を防止する事は難しいかと思われますが、
タコ足配線などから漏電を防ぐために、高い位置への設置を出来るように、結束バンドなどで高い位置に結び付けるなどの工夫をすると良いかと思います。

同様に漏水による破損が考えられる電子機器類(特にデータなどが保存してあるパソコンやハードディスクなど)はなるべく高い位置に設置する事を心かけて下さい

4-2.書類は棚の上に

また書類や写真など一度濡れてしまうと元の状態に戻すのが難しく、また濡れるとカビの生えやすいものにおきましては、
濡れないように棚の上などに保存するようにして下さい。特に写真に関しましては濡れると剥げてしまい、回復が難しい事が指摘されておりますので注意して下さい。

4-3.水害リスクの高い場所を選ばない

そして何よりも河川の周囲や、地盤の緩い地域、海抜の低い地域への不用意な居住は控えるようにして下さい。
住居選びに関しましてもリスクを考えて選ぶようにしましょう。