私は東京都の都心の外れ・八王子市というところにある小さな総合病院に勤務する内科医、國松淳和です。
さて、コロナ。「ウィズコロナ」なんて言葉があるようです。私の周りでこの言葉を使う医療従事者を見たことがないので「ウィズコロナ」のことは正直よくわかりません。識者に聞いてください。
前回の記事で、「敵ながらあっぱれ・コロナお前なかなかやるな」という趣旨のことを確かに私は書きましたが、「ウィズコロナ、一緒にいたい」なんて1ミリも思っちゃいません。一緒になんて絶対いたくないです。敵のことはリスペクトしますが、この戦いには絶対勝ちたいです。何としても封じ込めを目指したいです。
前回は「コロナ、お前すげーわ」という点について述べましたが、今回は「コロナよ、お前はすごくない」という点についてまとめましたのでどうぞお読みください。
確かに狡猾なウイルスだなと思わされる一方で、コロナにも弱点があると思います。そこを突いていきましょう!
■「コロナよ、お前はすごくない」その1
→『流水やアルコールで予防対策が可能』
もし新型コロナウイルスが、たとえば「マイナス1000度から急激に加熱して400度の熱風を3分間吹き付けなければ死なないウイルス」だとしたら恐すぎて無理(この場合は、むりぽ・無理ゲー、などと呼んでもいいでしょう)ですが、水道の水を使い石鹸で洗っちゃえば手についたウイルスはなくなってしまうのがコロナです。
大したことありませんよね。
小学校でもできます。ちゃちゃっと洗うだけではダメですが、たとえば好きな歌を歌いながら石鹸で手を洗っていれば、その歌の「1番」を歌っている間に十分ウイルスはいなくなります。楽勝です。
■「コロナよ、お前はすごくない」その2
→『元気な人間に侵入すると、免疫で無力化される』
コロナウイルスは厄介ですが、元気な人間の免疫は非常に有能です。感染したとしても、人間の免疫は即座にウイルスを認識し、殺傷し、中和し、お掃除して排除できます(もちろんウイルスが侵入した後には、それなりにただ事ではない生体反応は起こるわけですけれどそれを乗り切れば)。
「何をいう。抗体が残っているではないか」というかもしれません。いえ、こっちこそ「何をいう」ですよ。抗体というのは病原体ではありません。
・・・それはさておき、あの厄介で狡猾な新型コロナでさえも、生体に侵入後、2週間くらいどこへも行けずに時間がたってしまえば結局最後は人間の免疫で無力化するんです。ただウイルスは自分たちが死なずに生存していきたいために、増殖して他の人へうつるんです。それは、人間の中でしか生きられないくせにずっと1人の人の中にいたのでは無力化してしまうということをウイルスは知っているからなんですね。次々と増やして別の人間にうつっていかなきゃ生きていけないんですあいつら。
大したことありませんよね。
要は人にうつさなきゃいいんです。人にうつさなきゃ、コロナに勝てます。
だから、予防なんです。手洗い・マスク・三密回避なんです。
これを「いつまでも子供相手みたいなこと言うな!抜本的な対策をしろ!」と憤る人がいると聞きましたが、「手洗い・マスク・三密回避」が幼稚っぽいなんてとんでもない。これが最善・最適の戦略なんですよ。コロナとしては人間に「手洗い・マスク・三密回避」をされちゃうと困るんですよ。人にうつることができないから。
実はあいつらを困らせるのに、特殊な対策は要らないんですよね。皆さんも憤って声を上げる前にマスクをしましょうね。あと、前々から血圧が高めなんて言われている人は、この際治療しておきましょう。新型コロナの重症化の危険因子の1つとされていますよ。
■「コロナよ、お前はすごくない」その3
→『おれたちのほうが多様』
変異株とかなんとかって言ってますが、まあウイルスも必死なんでしょうね。しょうがないです。
ただ、私たち人間だってまあまあ多様ですよ。これでダメならこれ、とかいろいろ対案を出せたりします。賢いですよね。
ウイルスは生きるのに必死なんですよ。それに引き換え、私たちは余裕あります。芸術や文化、芸能も途絶えていません。電気やインターネット、水道などが壊滅してるわけでもないので、基本的な生活も維持できています。それなりに楽しみもあります。
ウイルスはしょせん自分ひとりじゃ生きられないんですよ。それに引き換え、私たちは「ひとりメシ」とか「リモートワーク」とか「コロナに関するまともな知識を得る」みたいなことをすることができます。しみじみ、1人で。ゆっくりと。
大したことありませんよね。
自分たちのことをかなりたくさんやりながらも、「手洗い・マスク・三密回避」のような単純な戦略で対策できてしまう。正直楽勝です。
■「コロナよ、お前はすごくない」その4
→『人間には、未来を支える子供や若者たちがいる』
コロナよ、君たちに希望はないですよ。
ウイルスがどんどん増殖していくのは、単なる奴らの生存戦略であって、それでしかウイルス的には未来への希望がないからです。
大したことありませんよね。
その点私たちには希望があります。たとえば子供たちです。
先日私はバスに乗っていました。降車した時のことです。
私がバスから降り、歩道を歩き始めたところ、私よりもちょっと先に降りていた親子(母親と小学2年生くらいの男児)の姿が眼前に見えました。2人は立ち止まって何かしています。
何をしているかはすぐわかりました。
2人でにこにこしながら、アルコールで手指消毒をしているのです。携帯用のものだと思います。
びっくりしたのはその男の子の手つきです。
こちらの資料は、石鹸・水道水を使った手洗いの図(厚生労働省HP)ですが、たとえば私たち医療者はアルコールを使った速乾性消毒剤を使う時でもほぼこの図のような手順に準拠します。
私がびっくりしたのは、その小さな男の子がこの図の③を普通に実践できていたことです!
ちゃ〜んと左右の指先を最初の段階で洗っており、そのあまりの正しさと慣れた手順に驚愕いたしました。しかし⑤もちゃんとやってました。
おそらくですが、このお母さんがちゃんと教えたんでしょうね。素晴らしいです。
私の主観になりますが、この親子はなんだかとても楽しそうでした。
このコロナ禍で「マスクを外せ!子供たちの笑顔を取り戻せ!」とかいう声があると聞きましたが、だったらこの親子はなんなんでしょうね。とても楽しそうでしたよ。
こういう未来の宝のような存在がいるとわかれば、まだまだ私も頑張れます!
コロナよ、君らにはそんな存在はいないだろう。どうだ参ったか。人類にはいるんだぞ。
小学2年生でも習得できてしまう正しい手洗いの習慣。ぜひ、大人たちも身につけておきたいですね!
今回は以上になります。医療従事者は、特に自分たちに「拍手をして欲しい」「声援を送って欲しい」なんて思っておりません。
感染者が減ることを願っております。
「それでも何か医療者にできることをしたい」ということであれば、未来の宝である子供たちにおこづかいでもあげてあげてください。さぁ!思い立ったら今です。すぐにお孫さんなどに連絡し、本やパソコンでも買いなさいねと送金しましょう。
内科医(総合内科専門医・リウマチ専門医)/医書書き。2005年~現・国立国際医療研究センター病院膠原病科, 2011年~同院総合診療科。2018年~医療法人社団永生会南多摩病院総合内科・膠原病内科部長。不明熱や不定愁訴, 「うちの科じゃない」といった臨床問題を扱っているうちわけがわからなくなり「臓器不定科」を自称するようになる。不定, 不明, 難治性な病態の診断・治療が専門といえば専門。それらを通して得た経験と臨床知を本にして出版することがもう1つの生業になっており, 医学書の著作は多い。愛知県出身。座右の銘:特になし。※発信内容は個人のものであり, 所属した・している施設とは無関係です。
yahooニュース引用:「コロナよ、お前はすごくない」 ”コロナ、お前すげーわ” の医師が示す新型コロナ4つの弱点(國松淳和) – 個人 – Yahoo!ニュース
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